鶴岡の慶應義塾大学先端生命科学研究所を訪問
鶴岡にある慶應義塾大学先端生命科学研究所を訪問し、同研究所発バイオベンチャーである、スパイバー、メタジェン、Molcureの創業メンバーらからお話を伺いました。
まずはスパイバーについて:
石油や鉱石、地球の天然資源を使わずに私たちの手でそれに代わるものを作り出せるとしたら…。
大学時代、「クモの糸を量産できたら面白い」飲み会から出たアイデアを「人類のため」にまで昇華させたスパイバーの関山さんと菅原さん。
「鋼鉄を上回る強度」、「ナイロンを超える伸縮性」を持つクモの糸からはじまり、遺伝子を組み換えた微生物をビールと同じように巨大なタンクの中で発酵させ、様々なたんぱく質を量産することに成功。
「金属、ガラス、石油化学。人類はこれまで様々な基幹素材を使いこなし、大きな発展を遂げてきました。鋼鉄の340倍という異次元のタフネスを有する「クモの糸」をはじめとするタンパク質は、機能面、環境面、テーラーメイド性、そして同一原料・同一プロセスで多品種を製造可能なプラットフォーム性を兼ね備えた、史上最大のポテンシャルをもつ持続可能な基幹素材の候補と言えるでしょう。クモの糸を足がかりにタンパク質を自由自在に使いこなす時代を切り拓くべく、私たちは11年間の歳月をかけてその準備を進めてきました。そして2015年、THE NORTH FACEとのコラボレーションにより産業化に向けた本格的な試作品を発表、ものづくりの新時代の幕を開けました。(スパイバーHPより抜粋)」
使われなくなった酒蔵や既存の製糸工場など、基本的には今あるプラットフォーム上で、天然資源由来ではない新しい素材が作り出せる。なんというテクノロジー。国も含み、100億円以上の資金調達にも成功し、2021年からはタイの工場で本格量産開始とのこと。
サステナブルな暮らしといったとき、自然に還るのもまたありですが、頭脳を持って進化した人間だからこそ発揮できるフロンティアにもまた血が踊ります。
(つづく)