スペシャリストに学ぶ「お庭ビオトープの作り方Vol.3」
第4回 生物多様性と庭づくり in 館山
教えて!坂田さん!~お庭ビオトープの作り方Vol.3~
今回は、池を拡張して、石を積む予定です!!
–連続講座ではありません。はじめての方、毎回大歓迎–
房総半島の最南端、館山。
太平洋と大島を正面に、安房神社に見守られた田園地帯。その一角で、耕作放棄地に囲まれた、草ボーボーの広い庭が今回の会場です。
昨年6月、生物多様性のスペシャリスト、坂田昌子さんをお迎えし、「人と生き物が共に暮らす庭づくり」と題した第1回目のワークショップを開催しました。坂田さんと参加者の皆様と共に庭を観察し、全体デザインを考え、午後は水路となる場所に沿って、しがらを作りました。
第2回目は10月、「お庭ビオトープの作り方」と題して、みんなで池を掘り、池底に杭を打って石を並べました。防水シートを敷かずに作った池には、作業するそばから、水が湧き出していきました。
第3回目は今年1月、「お庭ビオトープのつりく方 Vol.2」と題して、ビオトープにつながる水の道に、水を複雑に浸透させるため、瓦を割って小端建したり、しがらを作ったりしました。複雑な水の動きが、生物多様性を育むということ、改めて学ぶことができました。
そして今回、第4回は、「お庭ビオトープの作り方 Vol.3」として、池の拡張に挑戦します。第2回で時間切れとなった石積み、今回は石を増やし、池を拡張し、石積みを行います。
ビオトープとは、その土地の生き物が暮らす空間のこと。庭に池を堀り、この土地の生き物に暮らしてもらうために、どんなことに注意したらいいの? どんなふうに作ったらいいの? 坂田さんからは「最初に丸い池を掘ったけれど、ここから先の池の形は、水に決めてもらうのよ。自然に池の周囲が崩れるならそれを待って、池の形を安定させるの」とのお言葉。さて、第4回目までに、池はどんな形になっているでしょう。深淵な自然の営みに目と耳を傾けながら、「お庭ビオトープの作り方 Vol.3」と題して、ワークショップを実施します。
–連続講座ではありません。はじめての方、毎回大歓迎–
※池を作って一年。当初、コマツモムシが大量発生したかたと思えば、イモリが池を守り、カエルが卵を産み、亀が泳ぎ、カニが歩き、蜘蛛が様々な高さで巣をつくり、蝶やトンボが飛び交い、カモのカップルがやってきて水浴びをし、キジが水を飲み、アオサギが池の淵にしばしたたずみ「君たちは、どう生きるのか」と問いかけてきました。水辺は、葦と半夏生で覆われ、夏は藻が繁殖もしつつ、池はまた湧き水で、透明度を取り戻しています。
「この場所をより豊かな場所にして、いつか土地の神様に返したいね――」
そんな気持ちで2022年夏、東京都心から、この小さな家に二人で引っ越しました。当初、庭で畑を作るぞ!と意気込んではいたものの、庭の広さは200坪超え。マンションでのベランダ菜園の経験しかなかった私たちには、この庭をどこから、どんなふうに手入れをしていったらいいのか、見当もつきませんでした。
また、ここにきて真っ先に感じたことは、自分たちは「虫やカエル、鳥や草花たちが”主役”である世界」に移住してきたのだということでした。とにかく、この場にある、息吹の多さに圧倒されました。そして、先住のキジやカエルとの暮らしを楽しむ中で、そもそも庭に手を入れるべきかも含めて、ますますわからなくなっていきました。
移住とほぼ同時に、「坂田の杜」という、坂田さんから生物多様性や、人と自然との関わりを学ぶ半年講座に参加し、これをきっかけに、お庭を見てただけることになりました。
是非多くの方にご参加いただき、ご自身の庭や、生態系との向き合い方のヒントにしていただければ幸いです。
開催日時 | 2024年11月29日(金)10時~17時(雨天決行/荒天延期) |
会場 | 千葉県館山市佐野557 くるくるの庭 |
定員 | 20名程度 |
参加費 | 4000円(消費税込み) ※小中学生は半額です ※当日現金でのお支払いとなります |
内容 |
10時00分 主催からのご挨拶と、これまでの庭の説明 / 坂田さんと生物多様性の池づくり
12時00分 お弁当を食べながらの参加者自己紹介 13時00分 生物多様性の池づくり 17時00分頃 解散(時間は前後します) ※雨天決行。雨の日は、庭の水の流れがわかり、普段見えないことも見えてきます。 |
ご興味のある方、詳しくは以下Peatixサイトをご覧ください。お申込みもこちらからになります。
~生物多様性スペシャリスト🌼坂田昌子さんに学ぶ~
「お庭ビオトープの作り方Vol.3」
Peatixサイト(詳細・お申込み)へ→
<スペシャリストご紹介>
- 生物多様性スペシャリスト🌼坂田昌子さん
- 坂田さんのプロフィール
明治大学文学部史学科卒業。一般社団法人コモンフォレストジャパン理事。環境NGO虔十の会代表。前国連生物多様性の10年市民ネットワーク代表。2000年から圏央道高尾山トンネルから高尾山を守るために多彩な運動を展開。地元の高尾山の自然保護を行いつつ、生物多様性条約締約国会議や国連持続可能な開発会議などにも継続的に参加。生物多様性の保全に尽力し日本各地も駆け回る。古本屋を長く経営し、八王子古本まつり実行委員長でもある。虔十の会 https://takaokenju.com/kenju
- 坂田さんのワークショップ
坂田さんは、日本一植生が豊かな東京高尾山を拠点に、全国でネイチャーガイドや生物多様性ワークショップを開催されています。また、環境保護や環境再生に関わる様々な活動もされています。
坂田さんにガイドしていただくと、お馴染みの草花や道端の雑草が、どんどんと愛おしくなっていきます。また、地中に広がる広大な菌のネットワークや水脈のお話しや、食う食われるという生死を内包するいのちの営みのお話しには、グイグイと引き込まれていきます。さらに人も、生態系と真摯に向き合えば、それを豊かにする手助けができるというお話しには、毎回希望をいただきます。愛情と情熱あふれる坂田さんのガイドは、全国どこへいっても大人気です。
坂田さんは「個人の庭」にも、大きな可能性を見出しています。
都心部でも、田舎でも、点々と散らばる庭が、鳥たちのオアシスになったり、種が芽生える拠点になったりと、俯瞰してみると、大きな生態系の一部だとおっしゃいます。
今回は、個人が、自分の庭を手にした時に、地球上に生きる一つの種として、庭とどんなふうに向き合い、どんな点に注意して手を入れていったらいいのかを、坂田さんに教えていただく機会を頂戴しました。
参加者は、坂田さんのガイドや、ビオトープ作りを通じて、鳥や虫、草花の生息環境や生態系を知り、人と生き物の両方にとって優しい庭作りのポイントを学んでいただけます。
自分の庭づくりに悩んでいる方、家庭菜園やガーデニング、自然観察が好きな方、ビオトープを作ってみたい方、また、人が関わることで、生態系をより豊かにする方法があることを知りたい方は、是非この機会にご参加ください。
前回までのワークショップの様子
<第1回>
<第2回>
<第3回>