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第2回 教えて!坂田さん「生物多様性と庭づくり」

【教えて!坂田さん お庭ビオトープの作り方】開催しました!

お庭に総勢20人で作った、みんなの池ができました~!!!
坂田さん、ご参加の皆様、本当にありがとうございました!
以下、お池づくりレポートです✨

ーー

もともと、雨が降るとぐじゅぐじゅする庭の一角。前回の坂田さんのワークショップで、「ビオトープを作るならここね!」と言われていた場所に、今日は、深さ80㎝、直径2mほどの池を、20人の皆様と一緒に作りました。

ビオトープとは、その土地の生き物が暮らす空間のこと。庭に池を堀り、この土地の生き物に暮らしてもらうために、どんなことに注意したらいいの? どんなふうに作ったらいいの? 教えて!坂田さん!「お庭ビオトープの作り方」と題してのワークショップでした。

「庭を生物多様性豊かな場所にする」ということは、庭を取り巻く周辺の環境をも豊かにするということ。そのためには、庭の中にも、多様な生態系を作ることが大切だと、坂田さんはおっしゃいます。

水辺があったり、木陰があったり、風が通る草原があったり…。そして「池」一つとっても、深いところ、浅いところ、流れがあるところ、ゆるやかなところ…。その場所が複雑であればあるほど、それぞれの環境に適した異なる生き物がそこで暮らし、食う食われる関係を形成していくのだそう。

防水シートを敷かずに作る、ナチュラルポンド。雨が降れば水が溜まっていた場所ですが、雨が少ない今の時期は、水がないところからのスタートです。

最初から土は湿り、足で踏めば水がぐじゅっと染みる柔らかさなので、すぐに水が出るようになるのかな…と思いきや、剣先スコップで60㎝から70㎝掘り進めたところで、ようやく自然に水が染み出てきました。掘った土は、みんなのバケツリレーで畑の近くに運ばれていきます。「刈り草と混ぜると、とってもいい畑の土になるわよー」と坂田さん。

掘っていくと、途中、貝がザクザク出てきて、貝塚だったことも判明。海から隆起した房総半島ですが、自然に貝が集まったのではなく、あきらかに誰か暮らしていた痕跡とのこと。いつの時代の誰がここにいたのかなーと、時を超えて想いを馳せます。

そして、80㎝まで掘り進めたところで、池の底を平らにし、桶のような形状を作りました。

次は、焼いた木杭を、池の底に5本ほど打ち込む作業です。恐らく50㎝は打ち込んだ? つまり、地表からは、130㎝のところまで杭が達したことになります。

水位が少しずつあがりはじめました。

壁面から染み出た水だけでなく、杭が打ち込まれたことによって、一段深いところにあった水も刺激され、上に湧き出したり、染み込んだりするようになったとのこと。一番大事なのは、水に動きを作ること。これがないと水は滞り、多様な生き物が暮らせる環境になりません。

続いて、池の壁面に石を積み上げたり、池の底に石を敷き詰めたりしていきます。

池の底や壁面から水が出入りする際にも、そこに様々な形や大きさの石があることで、均一ではない水の動きが形成されます。水の動きが速いところ、遅いところ…。たとえその動きの差がわずかであっても、それによって流れができ、そこに合った様々ないきものや植物が生息するようになるのだそう。つまり、水の中でも、多様な環境を作り、生態系の多様性を作るのです。

みんなで池に手を突っ込んで、パズルのごとく、石を組み合わせていきます。水が冷たくて気持ちいい。砂土が舞い上がって水は茶色いけれど、手を引き上げると全然汚れていない。その間にも、少しずつ水位があがる。より丈の長い長靴がほしくなる。

生態系が多様になれば、一種類の生き物が大量に発生する可能性も減っていきます。ボウフラの大量発生が心配だったりもするけれど、それをヤゴが食べてくれたり、鳥が食べてくれたりもするから、大丈夫なのだそう。

そして、たとえメダカであっても、人間がこの場になにか生き物を持ち込むということはしない。自然に生態系ができていくのをただただ待つのです。

今日のワークショップを終え、管理人の私たちに託された宿題は、池の水がオーバーフローする道を作り、また階段状の流入口を作ること。水の流れを作りつつ、土を削り取らないように、石を使って緩やかな水道(みずみち)を作ることが使命です。そして次回の坂田さんのワークショップでは、この池に流れ込む水路の作り方を教えていただくことになりました。

池を掘っている先から、小さな虫が飛び交いはじめました。トンボもやってきました。水面からすーっと立ち上がる冷気に、今までなかった風を感じます。新しい生き物のための、新しい環境。そんな場所が、私たちの手で生み出せたとしたら、こんなにうれしいことはありません。

だけど、坂田さんはいつもおっしゃいます。
「答えは、自然が返してくれるのよ」と。

この庭に関わったみんなで、見守っていけたらうれしいです。
自然から、どんな答えが返ってくるのか。
この池が、ビオトープになるのか、ならないのか。

どうかまた、見に来て下さい。
池に関わった人も、関わっていない人も。
私も観察して、発信を続けます!✨🐸

みんなのお池!


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