【床下の電気配線②】 ~気密性と拡張性編~
【床下の電気配線②】
~気密性と拡張性編~
床下の電気配線が終わりました。
床下と外回りの配線の過程で気密性と拡張性を意識し、「華厳の滝ウォール」と「タコ星人」が誕生しました。
母屋で目指している高気密高断熱の家では、換気口やレンジフード、エアコンダクトなど、意図的にあけた穴をのぞいて、意図しない穴、つまり家の「隙間」をなくすことがなにより大切です。家の中の空気の入れ替えを「隙間風」に頼るのではなく、換気扇できちんと制御し、エアコンの無駄を、断熱材(他、蓄熱材や調湿材)の力も借りて最小限にできれば、快適かつ、エネルギー効率がいい家になります。
そんな大事な気密性を考えると、意図しない穴、隙間をいかに作らないかが勝負です。
電線やダクトがの出入り口はすべて「穴」となりますが、その場所がわかっていて、かつ集約されていれば、そこに集中して気密テープを貼ったり、ウレタン施工をするなどの対策をし、結果、意図しない穴を最小限におさえることが可能となります。
そして一旦、気密性を確保したあとは、安易に、壁や床に穴をあけられません。あけてもきちんとふさげばいいのですが、穴をあけるたびに、気密性が少しずつ落ちていく可能性が高まります。
というわけで、家の外のコンセントや、外の照明に関しては、事前に可能な限り、先を見越したプランニングが大切になります。「あ、電気自動車をもう一台充電するために、外に200Vコンセントつけておけばよかった!!」なとどいう事態は極力避けたい。そして、万が一将来、なにか別の線が必要になっても、拡張性ある仕組みを最初から作っておきたい。
実際、2年前にこの築33年の家に引っ越してきたときに、ここで光回線を引けたのは、33年前の電気工事士さん(電話屋さん?大工さん?)が、電話線を引くための管を家の壁の中に潜ませて下さっていたから。その管を使って、当時一般用には存在しなかった光ケーブルを、33年後に引き込めた。魔法のように、壁から光回線が出てきたときの不思議。天井裏から壁に仕込まれていた黒い管を、家の天井や壁を解体したあとに見つけたときの感動。ああ、先を考えるってこういうことなのか、と、腑に落ちた。

解体直後の天井を這う黒い管。右の壁の方につながっている。2年前、ここに光ケーブルを通してもらっていた。
だから今回の家でも、まずは考えうることに事前対応しておき、そして想定外の未来にも応えられる拡張性を、こと、床下や外配線に関しては大事にして考えました。
プロの皆様からすると、きっと当たり前の意識。そして、プロの皆様からみると、そんなことしても意味ないのに…という無駄な努力もあるかもしれないけれど…自分でやるからこそ、意識をもってやりました。小川棟梁と現場でいっぱい話して、あれこれ悩み、ご協力いただきながらやったことは…
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1.外界との電線系出入口を2箇所に集約
<華厳の滝ウォール>
一箇所は、気密性を意識して軒下に電線の出入り口を集約した「華厳の滝ウォール(勝手に命名)」。軒下の通気孔を電気関連の出入口にし、電柱からこの家に入る幹線も、この家から小屋に送る幹線も、設置予定のV2Hや太陽光の電線も、そして家の外回りのコンセントや照明、井戸ポンプなどににつながるあらゆる電線も、ここから出すことにしました。これで、気密処理をここで集中して行えます。
さらに、悩んでいた杉板壁の貼り方ですが、家全体は長持ちとメンテナンス性を考慮し、横張りにするものの、この華厳の滝ウォールの周りだけ、杉板を縦張りにすることにしました。縦張りにする箇所は、杉板を止める台座となる「胴縁」を重ねて施工するため、杉板の内側にくる通気層の幅が広くなります。横張り用の胴縁だけだと、通気層の隙間が18mmでしたが、ここだけ縦張りにすることで胴縁を重ね、通気層の隙間を30mm以上に。結果として、太い電線や、PF管という電線を通す管もすべて、この華厳の滝ウォールにまとめて通し、電線の出入り口を集約できるようになりました。
外壁を縦に張るか、横に張るか、最後まで悩んでいたところ、杉板壁用の板を「相じゃくり」という加工がされた、縦張りにも、横張りにも施工できるものを小川さんのおすすめで採用していました。だからこそ、ここだけ縦張りにする、という急遽の現場対応が可能になりました。こういうの、めちゃくちゃうれしいです!
ちなみに、華厳の滝ウォールの裏側、ケーブルがいっぱい出ている家の内側はいったいどうしたらいいのかと思っていたら、小川さんから、ダブル断熱気密のご提案が。まずは天井断熱材としてセルロースファイバー(新聞紙のリサイクル断熱材)が不織布で抑えられた状態で30㎝厚分吹き込まれるのですが、それだとケーブル箇所が穴あき状態になります。よって、その下にケーブルを囲うダクトのような箱を作り、そこに断熱と気密の両方の効果がある発泡ウレタンを吹き込んで下さるそう。果たしてどうなるか。高気密高断熱住宅の施工ははじめての小川さんですが、すごく勉強下さって、一緒に挑戦中です。普通の高気密高断熱住宅ではどうしているんだろうー。
尚、拡張性については考えうる電線やダクトなどを、先行配線をしています。どうしても20年後、30年後になにか新しい技術が出てきて太い電線を追加したい、ということなった際には、別途壁に穴をあけようと決めました。壁にはセルロースファイバーをしっかりと注入いただく予定なので、後で穴をあけてもセルロースファイバがくっつきあってぽろぽろと穴の壁面から落ちてこない…。そんなYouTube動画を見て、それを信じることにしました。

華厳の滝ウォール。ここだけ壁に厚みを持たせて縦張りにすることにしました。こちらの面はパワコンやエコキュート、室外機などが置かれる面なので、意匠性というより機能性で採用した縦張り。通気層が厚くなったので、太いケーブルも通せました。 
華厳の滝ウォールの裏側。さて、ここをうまく断熱気密施工できるか!?
<タコ星人>
もう一箇所の配線関係の出入口として、光ケーブルやLANケーブル、弱電系のケーブルを集中させて出入りさせられる口を、家の中心部の収納内の床に作りました。その際にも、ジョイントボックスに直接「長い」PF管をつなげず、一旦短めのPF管をつなぎ、そのPF管に中継コネクタをつけて、そこから長いPF管をのばせる仕様にしました。場所は、もちろん床下点検口の近くです。この中継部分があることで、床下点検口から配線を入れ替えることも容易になりましたし、場合によってはこの中継コネクタのおかげで床下にもう一つ別のジョイントボックスをつけて、線をさらに追加することも可能となりました。
この短めのPF管をつけたジョイントボックスが、タコ星人みたいなので、勝手に「タコ星人」と命名しました(足が8本はないけどねw)。

タコ星人 
タコ星人を床につけたところ。ここから光ファイバーが入ってきたり、小屋にLANケーブルを出したりする。穴は4か所。
この下から発泡ウレタンを吹き付け、断熱気密をとる。箱の中にも、断熱材詰めた方がいいかな。
タコ星人の足の先には中継コネクターをつけて、PF管をつないだ。このコネクタをはずせば、電線の出し入れもしやすい。
2.その他未来を鑑みた配線
<LAN>
小屋に向けて、母屋から電気用の配線を持っていくことはもちろん、LANケーブルも出しました。(無線LANでもできますが、小屋をワーケーション場所にも使っていただきたいから、安定の有線を用意しました)
<カメラ用LAN>
将来庭にライブカメラを設置したくなるかもと、電源も同時に配送できるPoE対応のLANケーブル(今回はじめて知った!)を床下から外に出しておいきました。
<床下コンセント>
そして床下にPoEハブも置けるようにと、床下にコンセントも設置しました。床下コンセントがあれば、床下が湿気たとき、床下換気ファンにも使えるかも!?(35年間の実績で、床下の乾燥を確認済みなのでファンはいらいと思いますが)

床下に仕込んでおいたコンセント。ホコリが入らないようにアースの穴をパテで軽くふさいだつもりが、穴の中にパテが入り込み大失敗(笑) テープを張ればよかった。作り直しだな。
<スピーカーケーブル>
庭でもしかしたら音楽も流せるようにと、スピーカーケーブルも出しておきました。
3.室内床コンセントの工夫
隙間風の大敵、床コンセントがどうしても家人の珈琲カウンターの脇にほしい。だけど、断熱性も気密性も極力落としたくない。
というわけで、まずは床コンセントを、床下を通る外配線の一環に組み入れました。床の断熱材の中を長距離、電線が通ることなく、床下の配線から、ここだけぴょっこり家の中に立ち上がるようにしました。これなら断熱材を最小限欠くだけとなり、気密処理もここだけすればOKです。
ただ、ポップアップするような一般的な床コンセントには、それに合う気密コンセントボックスが、この世にはまだ存在していませんでした。ならばと、世の中にすでに存在する壁用の気密コンセントボックスを使い、普通のコンセントを床面とフラットにつければいいのでは?と思いつきました。ちょうど柱の裏だし、リビングから目につかない。珈琲カウンター側からは使いやすい。小川さんから、これならフローリングを金具でうまく挟み込めば気密コンセントを作れるとの回答。コンセントを使わないときはコンセントカバーしておけばよいので、これにて気密がとれたフラット床コンセントが誕生することになりそうです。(成功するか?)

室内の床コンセントの準備。透明な容器が、壁用の気密コンセントボックス。これを床に使ってみます。3本出ている電線は、床下からきています。
4.床下点検口からのメンテナンス性
あとは、将来のメンテナンス性も考えて、床下点検口の近くに電線の結線ポイントを持ってきて、電線も長めに余らせて、床下に潜り込まなくても、家の中にいながら手元まで引っ張ってメンテができるようにしました。

前にも掲載した、床下の結線箇所。こんな上を向いた形にして電線を長めにしているのは、床下点検口をあけて電線を引っ張り出してメンテしやすくするため。
これらメンテナンス性については途中で思いついてやり直すものだから(プロなら、きっと当たり前のこと)、自分でもアホかと思うほどのやりかえオンパレード。だけど、はりかえた電線は、あとで屋内配線するときに使おうと思えるから、気兼ねなく、どんどんやり直せる。こんなときには、自ら電気工事士になってよかったーと思いました。
こんなに考えても、実際にメンテナンスすることになるかは不明(笑)
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以上、これらすべての作業、プロに頼んでいたら、ほんの1日ほどで終わっていたことでしょうが、私は実質丸4日か5日くらい…、あしかけ2週間?3週間以上かけてあーでもない、こーでもないと、家人にいっぱい手伝ってもらいながら、夜や週末を中心に施工しました。大工さんら職人さんにもいっぱいご迷惑をかけました。昨日も最後の最後、床が閉じられる直前にあることを思い出して、床下にもぐらせていただきました。作業をとめて本当に申し訳ありませんでした。
そんなキリキリ状態でしたが、とりあえず、気密と拡張性を意識して、できることはやり切ったのか?? もっと早く発信して、「他に考えるべきことはありますか?」と皆様に問いかけたかったけれど、、そんな暇もないくらい毎日必死でした^^;。工事はどんどん進んでいて、まだまだ発信したいことだらけ。そしてあと数日で、今度は室内の電気工事をはじめなければなりません。こちらも頑張ります!!