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農地の30%がソーラーシェアリングになれば、日本のエネルギーはまかなえる!?

4月21日、千葉県匝瑳(そうさ)市の「市民エネルギーちば」さん(以下グループまとめて「みんエネ」さんとお呼びします)が運営される、ソーラーシェアリングを見学してきました。
自分たちのエネルギーは自分たちで!と2013年に市民中心に立ち上がったみんエネさん。先月、エシカルコンシェルジュの特別講座で、代表の東さんのお話を伺い、東さんの情熱と未来への真摯さ、そして工夫に工夫を重ねられたみんエネさんのソーラーパネルにまずパンチをくらう。そして、先日の現地では、ご案内下さった宮下さん、スタッフの皆々様の気持ちよさを、まさにパネルの間を吹き抜ける心地よい風のように感じてきました。

ソーラーシェアリングとは、一般に農地の上にソーラーパネルを設置し、太陽光発電を行う手法。農作物が成育する日差しを、パネルの感覚を開けて確保しながら、農業と発電の両方を同時に実現します。

中でもみんエネさんのソーラーパネルは、農業第一主義を掲げ、通常のソーラーシェアリングのパネルより幅が狭く、2列セル。風の抵抗を減らすことはもちろん、雨だれが下の畑にまとまって垂れないため、畑に雨だれで穴をあけることもないなど、様々な工夫がされています。また、支柱の間をトラクターが通りやすい幅や高さに設計したりと営農に気を配りつつ、支柱を立てるところには炭を入れ、微生物の活性化も行う。農法は有機農法、不耕起栽培のみ、と、環境にも徹底配慮。災害時には、充電ステーションを開設するなど、環境にも社会にも開かれた、みんなのエネルギーがそこにはありました。

車で通るとあちこちにパネルが。その中でも見せていただいたのは、市民一人ひとりがパネルオーナーになった最初の発電所『市民エネルギーちば匝瑳第一発電所』と、エシカルコンシェルジュ講座でも案内のあった、一般社団法人エシカル協会、株式会社ボーダレス・ジャパン、Three Little Birds合同会社と、市民エネルギーちば株式会社の4社が共同で取り組む一番新しいソーラーシェアリング発電所『THE 土と太陽の発電所〜Soil&Sun〜』。そして、ちょうどその向かいにある、市民が植えたチューリップに囲まれたパタゴニアさんのフィールド。

『THE 土と太陽の発電所〜Soil&Sun〜』のフィールドでは、はじめて不耕起栽培がなされており、麦の若芽が通路の草たちと一緒にさわさわとゆれていました。またパネルも裏面からも発電できる新しいタイプのパネルが一部ついていたりと、パネルの進化もしっかり。

そして、最後に見せていただいたのが、現在開発中で秋以降に発売という、さらに細い一列セルのパネル。より風の抵抗に強く、降雨時にも雨だれがより分散されるため畑を傷めない。さらには廃棄時にベースのアルミとパネルがすぐにわけてリサイクルできるよう、サーキュラエコノミーにも徹底的に気を使った設計。その上、パネルのすぐ下がアルミのため熱がこもりにくく、発電効率も落ちにくいという夢のような製品。現地では東さんが木製のパーゴラ風に設置されたテストプラントを前に熱く説明して下さいましたが(見た目がおしゃれで私の妄想庭にはすでにこれの導入決定)、ホームページを見ると、この木製テストプラント、私たちがお邪魔した日にホームページで発表されており、どうも出来立てホヤホヤを観れたようでした。
https://www.energy-chiba.com/

フィールドを案内して下さった宮下さんからは、「日本の農地の30%がソーラーシェアリングになれば、日本のエネルギーはまかなえるんですよ」と教えていただきました。新たに自然を壊すことなく、すでにある農地をそのまま活用できるソーラーシェアリング。そして農家さんの収入もアップ。農地の活用法を絡めた様々な規制も緩和されてきた今、増えない理由が思い浮かびません。

みんエネさんの理念や進め方、そして関わる皆様に感銘を受ければ受けるほど、私がエシカルコンシェルジュ講座を受講したセミナー代が、ボーダレスジャパンのLFCコンポストに支払った基材購入代が、パタゴニアのウェア代が、こうしたソーラーシェアリングを間接的にであっても生み出していることにうれしくなりました。

ワクワクが止まらなかったみんエネさんでの見学ですが、ワクワクは実はソーラーシェアリングだけではありませんでした。その話は…また次回。。

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