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祐天寺 平塚幼稚園で、大地のビオトープできるかな~ご縁でつながる未来の可能性~


先日、東京は目黒区祐天寺の平塚幼稚園で、生物多様性のスペシャリスト、坂田昌子さんによる、園庭でのビオトープ計画の見立てに立ち会いました。

昨年10月30日、坂田さんのワークショップで、我が家に池ができました。
その池を、11月になってまっさきに見学に来て下さったのが、実は、東京は祐天寺の平塚幼稚園の園長先生ご一行様でした。

ご縁とは不思議なものです。

10月30日のビオトープワークショップの翌日、私たちは庭の井戸水の浄化法を探して、緩速ろ過(生物浄化法)方式の浄水場、長野県の上田染谷浄水場の見学に行きました。そこで出会ったのが、平塚幼稚園の平塚園長と、園庭にビオトープ作りを相談されている建築家の菊入さんでした。

平塚幼稚園では、15年前から生物浄化法で井戸水を浄水されていて、聞けば「この水を使って、今度、園庭にビオトープを作りたい」とのこと。あまりのタイムリーさに、私たちが、「一昨日、庭にビオトープ作ったばかり。防水シートを敷かないビオトープを、生物多様性の先生に教えていただいた」とお伝えしたら、「え、そんなことが可能なのですか?」と、前のめりに(最近は防水シートありきのビオトープの作り方しか本にも載ってないと坂田さん)。

そんな経緯で、まだ、作って間もない我が家の池に、昨年11月、園長先生と菊入さんご夫妻が視察に来られました。それも、館山駅から2時間以上歩いての訪問!😲

健脚の皆様、特に81歳の園長先生、館山からの道すがら、そこかしこで珍しい植物などを見つけると走っていってしゃがみ込み、観察したり、採取したり。菊入さんは途中、田んぼのあぜ道にしゃがみこむ園長先生の写真を送ってこられて「なかなか前に進みません」と連絡下さるほど(笑)

そんな自然が大好きで、園児顔負けの好奇心をお持ちの園長先生は、我が家訪問後、菊入さんとお二人ですぐに坂田さんの講演会に出向き、そして今回、坂田さんに園庭を見ていただけることになったという経緯です。

平塚幼稚園は、昭和24年に創立された都会の中にあっていくつもの大木が茂る幼稚園です。中でも、園庭の中心そびえる樹齢150年のクスノキは圧巻。その木陰に広がる味わい深き木造園舎。そして、米作り、よもぎ摘み、野菜作りや竹細工などなど、自然に親しむイベントだらけの幼稚園。園庭にあった登り棒も、竹の登り棒!

しかしここは都会のど真ん中。我が家は元田んぼという湿地だから水が出ましたが、果たしてこの住宅街で、防水シートを使わない、大地のビオトープができるのか。

坂田さんが到着し、まずは井戸の深さを確認します。常水面が地下3m、井戸の底までが地下約5m。壁面には、関東ローム層の赤土が見えます。この井戸は今も使っているとのこと。そして、同じ敷地内には3つも4つも井戸があり、東京でも昔の人は、みんな井戸を使っていたことが偲ばれます。

園の希望は、子供たちが生き物の観察できるような、万が一落ちても大丈夫な浅めの池。というわけで、現在のビオトープ予定地でよいか、または園内にある、他の井戸のそばがいいかと、坂田さんと庭を歩いてまわります。園庭の土はどこもかっちかちに固まっていて、どこも平ら。我が庭のようにちょっと低くなって、湿地っぽくなっているようなところはありません。

幼稚園全体を包み込むようなクスノキは、その根は園庭中に広がっているでしょうと坂田さん。というわけで、まずはメインの井戸の近くで、クスノキからも遠い道沿いで、園舎の入り口に近く、園児たちも毎日往来する最初の候補地を、次回、少し掘ってみましょうということになりました。少し掘って、土が湿ってきたら木杭を打って、水があがってくるかを試すのです(我が家でのやり方と一緒。ただし地面の状況はまったく違います)。尚、もし水があがってこなくても、この土なら、井戸水を注ぎこみ続けることで防水シートを敷かなくても池にはなりそうというのが坂田さんの見立て。そして、それも難しかったら、そこに無理にビオトープを作ることはないんじゃないの?というのが、たぶん坂田さんのお考えかな。

さぁて、どうなるか。

というわけで、次はドキドキの試し掘りです。

これでもし、池の底から水が湧き出るようになる、もしくは、井戸水を流し込んでも水をある程度保持する大地のビオトープが叶ったら、これはめちゃくちゃ楽しみ。私たち自身の中にある内的自然は、自然と親しむことでしか育まれないとおっしゃる坂田さん。都会に生きる子どもたちの日常に、地下と水を交換しあう大地のビオトープができ、そんな本物のメカニズムを、そこに生きるいきものたちと一緒に体感できたら、きっと素敵な地球人になりそう。

そして、坂田さんがおっしゃるように個人の庭を含め、小さな庭の生物多様性は、それらが点在していることで、大きな面を作っていく。コンクリートで覆われた都会の中で、鳥たちは、上空からもきらりと光る水面をすかさず発見するという。水辺があれば、鳥たちがやってきて水浴びをし、餌があれば食べ、未来につながる循環のサイクルがはじまっていく。そして、また都会のどこかの水辺を探して、ボーダレスに渡り飛んでいく。

都心というのがいい。幼稚園というのがいい。
果たして大地のビオトープはできるのか。
未来に開いた、可能性✨



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